れんこんは、ハスの地下茎が肥大した部分を指した根菜の一種です。穴の開いた形から“先の見通しがきく縁起物”としておせち料理などの節句や精進料理にも用いられることの多い野菜のひとつです。
ビタミンCを非常に多く含むうえ、加熱しても失われにくいのがれんこんの特徴のひとつ。また切った時に糸を引くことがありますが、この粘り成分でもあるペクチンは消化を助ける働きがあり、胃の粘膜を保護して胃炎や胃潰瘍などにも良いとされています。その他にも疲労回復や口内炎、目の充血、肌荒れなどを防ぐ効果もあり、血圧を正常に保つカリウムや抗酸化成分のタンニン、食物繊維も豊富な万能野菜のれんこん。
近年は抗アレルギー効果も注目され、一年を通して手軽にスーパーなどで販売されています。
「新れんこん」と呼ばれる新物は6～9月に出回りますが、冬場になるとより粘りが出て甘みが増してきます。
今回はそんなれんこんを美味しく食べるためのポイントをいくつかご紹介したいと思います！
美味しいものを選ぶ！ 見極めポイント
| カット面 | 穴が小さく、茶色く変色していない、白くみずみずしいものがGOOD！ 肉厚なものがオススメ。 |
|---|---|
| 全体 | ふっくらと太めで丸みのあるものが美味しさのサイン。表面にシミのないものだと◎ |
美味しさを保つ！ れんこんの保存方法
| カットの場合 | ラップでしっかりと包み、切り口が空気に触れないようにして野菜室で保管してください。 |
|---|---|
| 丸ごとの場合 | 湿らせた新聞紙に包み、ビニール袋に入れてから野菜室で保管すると美味しさが長持ちします！ |
れんこんの調理ポイント
①下処理の仕方
切り口の変色が気になる場合は、切ったらすぐに水に漬けましょう。
また皮をむく際は縦の繊維に沿ってむくとやりやすいですよ！
②食べ方の一例
・主菜：甘酢炒め、筑前煮、つくね、肉団子、はさみ焼き、煮しめ
・副菜：酢れんこん、辛子れんこん、きんぴら、五目豆
・その他：れんこんもち
③オススメの食べ合わせ
ポリフェノールの一種であるタンニンは胃腸トラブルに効果があります。また粘り成分のムチンにも消化不良解消などが期待でき、大根やかぶと合わせるとより一層効果が高りますよ。
ただしムチンは水溶性で熱に弱く、60～70℃の熱でその効果がいちじるしく薄れてしまうので、加熱調理をする際は出来るだけ短時間で済ませるのがオススメです。
れんこんの栄養素と健康のオイシイ関係
※30代女性1日あたりの栄養摂取基準量を100とした場合におけるれんこん（根茎、生）100グラム中に含まれる主な栄養素の割合（ただし、食物繊維は目標量、ビタミンCは推奨量、その他は目安量の値を用いた。）
出展：「日本食品標準成分表2010」れんこん（根茎、生）より」
| ビタミンC | 粘膜・皮膚の健康維持・免疫力を高める・ストレスへの抵抗力を高める |
| カリウム | 血圧の低下・脳卒中の予防・骨密度の増加 |
| パントテン酸 | 皮膚や粘膜の健康維持・ストレスへの抵抗力を高める |
ちょっと小噺：11/17は「れんこんの日」
茨城県土浦市にて、全国かられんこん産地の代表が集まり「れんこんサミット」が開催されたことを記念して制定されました。
精工のつくば工場にほど近い霞ヶ浦流域は日本一のれんこんの産地で、なんと日本の出荷量のおよそ半分を占め、東日本を中心に出荷されています。
また11月8日には「徳島県れんこんの日」というものも。徳島県のれんこん収穫量は全国2位で、西日本を中心に流通しています。
栄養豊富で炒め物や煮物など様々な食べ方ができ、縁起物としても古くから愛されてきたれんこん。
これからの季節に旬を迎える栄養満点の野菜を美味しくいただいてくださいね！
